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すぐに決まった打ち合わせ。
都内某所のスタジオ内。
ケンさんの読み通りなこは案外普通の様子で、初めて訪れる音楽スタジオに興味津々。
撮影の現場には何度か連れて行ったことはあるが、また雰囲気が違うからな。
動き回ったりはしないけど、俺の隣で手を繋いだままキョロキョロしている。
「お待たせいたしました。SSGマネージャーの鹿島と申します。本日はわざわざ起こし頂きありがとうございます」
「こちらこそ。私、社長の…」
扉を開けて入って来たのは細くて背の高い、いかにも秘書って感じの男。
それに続いてSSGのリーダー・sakuが入ってきた。
なこの初めての仕事。
なぜか社長の龍さんまで着いて来ていて、机を挟んでSSGなんて豪華すぎる…。
なこはこの凄さを知らないからか、先ほどまでとさほど変わらない様子だ。
俺とケンさんだけガチガチに緊張してる。
ちなみにまだnakoにマネージャーなんかはついてないから、ケンさん達が兼任してくれている。
「じゃあ早速だけど。今回のアルバムのイメージが…」
挨拶をしていたマネージャーに続き、sakuさんが自ら説明。
室内は一気に真剣モードだ。
「…ねぇ」
「ん?」
小声でなこが話しかける。
メインで会話してるのは社長とケンさんだから、俺らはそれを聞いてるだけ。
なこ飽きたのか…?
「…トイレ」
そういや、話し始めて結構経つ。
休憩なしでぶっ続けだったし、休憩しても良さそうな頃合いだ。
「なこちゃんトイレ?…すみません、少し休憩にしましょうか」
「そうですね」
気づいた社長の言葉で15分の休憩。
なこは部屋の端で控えていた遊さんに連れられ、お手洗いへ向かった。
「君、モデルの子でしょ⁇」
「え、はい、JUNです」
なこが部屋を出てすぐsakuさんに話しかけられる。
こんな超大物に知られてるとかヤバいな。
「どうして今日はここに?」
「あの子、コイツの親戚なんですよ」
俺に代わり、答えたのはケンさん。
「過去に色々ありましてね、nakoは淳だけに懐いていて…暫くは同行させようと」
続いて説明してくれる龍さん。
そんな設定知らなかった。
この人たちどこまでも俺らのこの考えてくれてんだ。