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「……マジ?」

「はい」

「…大丈夫か?お前」

「はい。俺、親は居ないものだと思ってきました。今も居ないと思ってます。これ以上傷つけられたりしない。俺には今、家族みたいな仕事仲間と上司、それに愛する人もいるから」



連休明け。



社長に親と会うことを話した。



社長はイイ人だ。



俺のことを心から心配してくれる。



ケンさんも、雪ちゃんも、コウちゃんも…遊さんも。



みんなイイ人だ。



だから俺は大丈夫。



「わかった。でも、会うのはこの建物だ。お前に万が一何かあったら、悲しむのは周りの人も同じだって忘れるな。今のお前には守るものがあるだろ。絶対負けるなよ」

「はい」

「向こうには俺から連絡しとく。日にちが決まったら言うから」

「お願いします」

「お前は俺にとって、息子みたいなもんだから…この事務所の仲間は家族だ。忘れんなよ」

「はい」



忘れねぇ…絶対。



俺が初めて心を開けた人達だから。



大丈夫。



会って一発ガツンと文句言うんだ。



俺を捨てたのは、親なんだ。



捨てられた子の恨みは消えない。



傷は消えない。



それでも今、こうやって充実した日々を送れてるのは、ここの皆のおかげ。



全部伝えるんだ、初めて会う親に。



俺の気持ち、感情、ぶつけてやる。



そんで、どんなかたちになっても、キチンとハッキリさせて、スッキリした気持ちでこれからを過ごしたい。



感情が高ぶるのを抑えられる気がしねぇよ…。





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