天国への切符



話さなきゃいけないことがある。

謝らなきゃいけないこともたくさんある。



「美波…ごめん。あのね、あたし…」


「真優、私は大丈夫だよ」


「えっ?」



言いかけた言葉に重ねるように美波が口を開いた。



「だから…気にしないで。私と話したりしてたら次は真優まで巻き込まれるし。こんなのは私だけでじゅうぶんだから」


「美波…」



違う。そうじゃない。

巻き込まれてもいいって思った。


だから今、あたしは美波に話しかけた。



「真優⁉︎」



だけどあたしは…やっぱりただの弱虫だった。



後ろから聞こえてきた声に思わず肩がビクッとすくんだ。



「何やってんの」



うつむきながら振り返ると、そこにはサエがいて。


その隣にはノアが一緒だった。




< 152 / 363 >

この作品をシェア

pagetop