天国への切符
話さなきゃいけないことがある。
謝らなきゃいけないこともたくさんある。
「美波…ごめん。あのね、あたし…」
「真優、私は大丈夫だよ」
「えっ?」
言いかけた言葉に重ねるように美波が口を開いた。
「だから…気にしないで。私と話したりしてたら次は真優まで巻き込まれるし。こんなのは私だけでじゅうぶんだから」
「美波…」
違う。そうじゃない。
巻き込まれてもいいって思った。
だから今、あたしは美波に話しかけた。
「真優⁉︎」
だけどあたしは…やっぱりただの弱虫だった。
後ろから聞こえてきた声に思わず肩がビクッとすくんだ。
「何やってんの」
うつむきながら振り返ると、そこにはサエがいて。
その隣にはノアが一緒だった。