天国への切符



でも、あたしは泣けなかった。


泣いたらもう、止まらなくなるような気がして。


涙で滲んでいく目を、必死で抑えるように上を向いた。



あたしが泣く資格なんてないから。


絶対に泣かない。


あたしが泣くのは間違ってるから。


だから…絶対に泣けない。




あたしのせいだから。



あたしがあの時……




たくさんの後悔に、押し潰されそうだった。


涙がこぼれないように、ただジッと時間が経つのを待っていた。




「ばあちゃん送ってくるから」



法要が終わり、みんなで精進料理というものを食べると、親戚のおじさん達と一緒にお父さんはおばあちゃんを老人ホームへと送りに行った。



「いってらっしゃい」



玄関先でそう言って見送り、ゆっくりとドアを閉めた。





「…っ…んっ……」



だけど一人になった途端、張り詰めていたものが切れたように、あたしは溢れてくる涙を必死で拭った。


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