天国への切符



サエは強い。

ずっとそう思っていた。


意思が強くハッキリしていて、言いたいことをいつでもズバッと言って。


ずっと強いって思ってた。

羨ましいって思っていた。




だけど本当のサエは、こんなふうに涙を流す。

弱いところもたくさんあるのだと初めて気付いた。



「肩や腕にも…アザ、あるんでしょ?」


「…っ……ないよっ…」


「…殴られたの?」


「…っ……ほっといてよ……私なんていてもいなくても…どうなってもい…」



ねぇサエ…

強がるのは、もうやめようよ。


弱いところも、全部見せてよ。



「ほっといけないよ……サエは…大事な…大事な友達なんだから」



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