天国への切符
「どした?」
「う、ううん、何でもない」
目が合うだけでどうにかなっちゃいそうなくらい体中で感じる心臓の音。
「ごめんごめん、俺が漫画読んでたら真優ヒマだよな」
ケント君はそう言ってニコッと笑うと、読んでいた漫画をパタンと閉じた。
茶色い髪。切れ長の目。
笑うとキュッと上がる口角。
ケント君の顔を見ると、不安だった気持ちがほんの少しだけ消えていくような気がした。
知り合ったのは2カ月ほど前の8月の花火大会。
いわゆるナンパってやつだった。
サエ達と四人で花火を見ていた時、同じ四人組だったケント君達に声をかけられた。