天国への切符
漫画をめくる音が、またこの部屋で聞こえ始めた。
雰囲気が悪くなったのを感じながらも、あたしはどうすることもできなくて。
壊れてしまった空気が元に戻らないのは分かっていたけど…帰りたくないから、そのままでいるしかなかった。
会いたかったのに。
毎日ずっと会いたかったのに。
どうしてこうなっちゃうんだろう。
外が暗くなってきた頃、鳴り響いたケント君の携帯。
「ごめん、夜勤入った。駅まで送ってくよ」
それを手にしたケント君にそう言われたあたしは。
「うん」
そう答えるしかなくて…
そのまま駅まで送ってもらった。