アヴァロンドレイク
2話【今から君は私のご主人様です♪】
「なんで俺が買い物なんか行かなきゃいけないんだよ…あのくそハルが…」ハルの愚痴をこぼしながら歩いていると……え…なにあの人…
あれはどっからどうみても不審者だ…黒い帽子を頭にかぶり、やけにデカイコートを着ている…さらに黒いサングラスまでつけて…て言うか暑くないのかな…そんなことを考えていると、その不審者はやはり暑さにやられたのかフラフラと歩き始めて、そして……「おいおい!!」そう言いながら俺はいきよいよく、走り始めた…何故なら道路の真ん中で今にも倒れそうだからだ…いやまだ、それだけならまだいい!もう、すぐ目の前にハイスピードでトラックが突進してくる!!っていうか、なんで運転手は気づかないんだよ!
今頃気づいたのか不審者は逃げる素振りを見せるが、足がもつれて転けてしまう。サイヤクだ…なんでそこで転ぶかな…あ~もう!届け!!
そして、俺の手はなんとか不審者のコートに手が届き道路の外側におもいっきり投げる、その瞬間不審者のサングラスがズレて…不審者の赤い目と目が合った…そして俺はいきよいよくトラックにぶつかる…はずだった…トラックにぶつかる瞬間にぶっ飛ばしたはずの不審者が俺服を握って同じく道路の外側に投げる…え…だが俺は運が悪く投げられた場所が電柱だった…バゴンッ!そして、俺は気を失った…
「う…うあ……ここは…?」
「目が覚めたんですねご主人!!」
「……は?…」
寝ぼけているんだろうか……なんか俺の目の前に赤い瞳…頭には猫耳…背中らへんには8尾の尻尾がある少女がいる…「俺…死んだのかな…」
「何変なこと言ってるんですか?ご主人?」
「えっと…は?さっきから俺のこと言ってるの!?」
「当たり前じゃあないですか!ご主人♪」
何を言ってるんだ…
「あのさ…まさかご主人って俺のこと…?」
「そうですよ、だってあなたは私の命の恩人なのですから♪」
「あっ!そうだよ!!俺は確か君を助けた…あれ?確か…そのあと誰につかまれて…そして、何かにぶつかった…」
「その通りです!」キツネ少女は人差し指を立てて言っている……なんなんだよ…
「あのさ…気のせいなのかな…なんな尻尾が…それに後色々あっちゃいけないやつが…」
「?……あ…あ~はいはい、この尻尾や耳の事ですね♪」
一瞬キョトンとするキツネ少女だが俺が何を言ったのか、わかったのかブルブルと尻尾が揺れている…柔らかそう…ってそうじゃなくて!!!
「君何者なの!?って言うかここは何処なの!?」
「分かりました、わかりましたから怒鳴らないで下さい…ご主人」
「あ…ごめんごめん…ゴホンッ!え~とまずここは何処なの?」
「えっとですね、ここは私の世界です!」
……は?
「え、え~とここは何処かな?」
「だ~か~ら私の世界ですって!!」
「わかった…信じよう…って言うやつが何処にいる!?」
「ひどい!ご主人は私を信じてくれないんですか!?」
あ…目がマジだ…
「あ~もういいよ!信じるよ…はぁ…んで次、君は何者なの?」
「はい!私はキュウビです。以後お見知りおきよ♪」
「うん♪よろしく…ってか名前…それだけなわけないよね」
それを言った瞬間キツネ少女は顔に?マークが出まくっている…まぁ…絶対俺の方が?マークは出ているけどね…
「え?これが私の本名ですど?ご主人♪」
「そ、そうなんだ……」
「て言うかご主人はやめてくれよ…」
「ダメですよ!!」
「さっきも言いましたがあなたは私の命の恩人なのですからご主人と言います!難論は出来ません!!」
どうしよう…この子の頭大丈夫かな…
「でもご主人はちょっと…」
それを言おうとしたときキツネ少女は俺を抱き締めて…
「今から君は私のご主人様です♪」
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