わたしの365日
「あ、そだ」

陽斗が思い出したようにつぶやく。


「恋杏、今日俺に何してもらいたい?」

そういえば昨日なにして欲しいか考えて
おくように言われてたな……。

すっかり忘れてた。

「えー、じゃあそばにいて?」

「それだけ?」

「うん、今日は!」

「ふっ。ラジャー」

陽斗は私の近くに座り。

私の手を握る。あったかい。


「お前…指ほせぇな…」

「え?そうかな?」

「ああ、こんなに無理してたんだって
思っちまうほど」


無理なんかしてないのに。

して、ないのに……。


「ゴメン、恋杏……」

「もうそんなの昔のことじゃん?忘れよ!ね?」

陽斗が少し苦しそうに微笑む。




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