純愛は似合わない
何年も、第二の両親であるように接していた二人が利害で動いていたのなら、私にとっては大層な痛手だ。
父に切り捨てられても何とか乗り越えてこれたのは、美好さんの気遣いと将人さんのほどよい距離を保った温かな眼差しがあったからなのだ。
それを疑う日が来ようとは思いもよらなかった。
全てはDNAレベルの話しで結婚を契約として扱い、半ば強引に私を従えようとする速人に起因している。
「ま、いいや。俺はハンターみたいに追い詰めてから捕まえるような趣味ないから。ほら、どっちかって言うと俺って草食じゃない?」
「……ヒロ、一般の草食の定義と違う気がする」
ヒロの場合はハンターの真似をすることなく、餌のほうからフラフラと近寄ってくる。でも、それをきちんといただいているのだったら、草食とは呼ばないだろう。
私の頬を緩くつねったまま、ヒロは目を細めて笑った。
「俺の床事情、少しは気になるわけ?」
「生々しいのは興味ないわ」
「ザンネン。最近の俺なんて『清く美しく』なのに」
「『正しく』が抜けてる」
「だってどれが『正しい』かなんて、そんなの他人から見たら分かりやしないよ」
「屁理屈」
「なんとでも言って。早紀ちゃんも正しさなんて求るのをやめたら、もうすこし楽になれるかも、なのにね」
サラリと頬を撫でるヒロの指先は優しさが溢れていた。
父に切り捨てられても何とか乗り越えてこれたのは、美好さんの気遣いと将人さんのほどよい距離を保った温かな眼差しがあったからなのだ。
それを疑う日が来ようとは思いもよらなかった。
全てはDNAレベルの話しで結婚を契約として扱い、半ば強引に私を従えようとする速人に起因している。
「ま、いいや。俺はハンターみたいに追い詰めてから捕まえるような趣味ないから。ほら、どっちかって言うと俺って草食じゃない?」
「……ヒロ、一般の草食の定義と違う気がする」
ヒロの場合はハンターの真似をすることなく、餌のほうからフラフラと近寄ってくる。でも、それをきちんといただいているのだったら、草食とは呼ばないだろう。
私の頬を緩くつねったまま、ヒロは目を細めて笑った。
「俺の床事情、少しは気になるわけ?」
「生々しいのは興味ないわ」
「ザンネン。最近の俺なんて『清く美しく』なのに」
「『正しく』が抜けてる」
「だってどれが『正しい』かなんて、そんなの他人から見たら分かりやしないよ」
「屁理屈」
「なんとでも言って。早紀ちゃんも正しさなんて求るのをやめたら、もうすこし楽になれるかも、なのにね」
サラリと頬を撫でるヒロの指先は優しさが溢れていた。

