豹変彼氏~ドラマティックに愛されて~
暗い住宅街の夜道。
輝が前方を歩いている。方向が同じなので、どうしても孝志が追いかけるような形になってしまう。
本当に、こいつ、邪魔ばっかりして。
前にミツに告白しようと思ったときも、タイミング悪く入ってくるし。
『あの頃も、今も好き』って言うはずだったのに。
なんか中途半端なことしか言えなかった。
ちくしょ、こいつのせいだ。
ばーか、ばーか、ばー……
心の中で悪態をついていると、輝がくるりと振り向いた。
心の言葉が無意識に口に出ていたのかと、慌てて口を閉じた。
「佐田さん、腹を割って、話しませんか?」
「話すって?」
ここは、大人の振る舞いを見せてやらなくちゃ。
俺はもう、自立した、大人の男だから。
「ミツさんのこと……今はどう思ってるんですか?」
輝の顔は真剣だ。
「好きだよ」
孝志は言う。
「それは同僚として? それとも女性として?」
「女性として」
孝志がそういうと、輝はぐっと言葉に詰まる。