豹変彼氏~ドラマティックに愛されて~
「どこ行くの?」
光恵は動揺を隠すように、そう訊ねた。
「俺のマンション」
「え!!!」
孝志は再びちらっと光恵を見て、面白そうな表情をする。
「箱のキットカット、ミツにもってって欲しいんだ」
「あ……キットカット……そう、か」
光恵はほっと胸を撫で下ろす。
そうかそうか、チョコレートを撤去する係ね。
それなら合点が行く。
しばらくすると、南青山の高級マンションへと到着した。カードキーをかざして、地下駐車場へと車を乗り入れる。
「すごいとこ……住んでるのね……」
光恵は呆気にとられて、開いた口が塞がらない。
「事務所が用意してくれたところ。俺が選んだ訳じゃないよ」
車庫入れも一度でまっすぐ入る。
「太ってやる」発言の男性とは思えない、完璧な立ち居振る舞い。
この人、ほんとに、孝志?
光恵は孝志の顔を凝視してしまった。