豹変彼氏~ドラマティックに愛されて~
部屋はきれいに掃除され、整頓されていた。
広く大きなワンルーム。男性らしい革張りのソファに、グリーンのラグ。照明は、目黒のおしゃれ家具屋で見るようなデザイン性の高いもので、間接照明もいくつか設置されている。ベッドカバーはモスグリーン。完璧にベッドメイキングされていた。
ウッドブラインドが窓にかかっており、孝志が紐を引くと、大きくひらいた窓が現れる。美しい東京の夜景が見えた。
「きれいにしてる」
「週に二度、ハウスキーパーさんが来てくれる」
「へえ、いたれりつくせり」
「でも俺も掃除してるよ」
孝志はカウンターに車と家の鍵を置くと、まっすぐベッドルームへと入っていく。それから壁のクローゼットを開いた。スーツやタイ、それからシャツ類が並んでいる。
孝志は下に置かれた段ボールを引っ張りだした。
「これ、まだたくさん入ってるんだ」
段ボールを抱えて、光恵の側に来る。見るとキットカットの大袋がたくさん入っていた。
「ミツ、これ、どうする?」
「誰かにあげてもいい?」
「いいよ、あっ、じゃあ、一袋だけ置いとこうかなあ」
「食べない?」
「だって、ミツがいてくれるし」
孝志がにこりと微笑む。
光恵の心臓は、いくつあっても足りない。