豹変彼氏~ドラマティックに愛されて~
光恵は再びコンピュータに目を戻したが、すぐに孝志が、
「練習、練習しかない。そうだ……」
とつぶやいた。
光恵はほおづえをついて、孝志がぶつぶつ言うのを眺めた。
いったい何が書いてあったんだろう。
「ミツ」
孝志が台本を見つめながら、手招きした。
「何? 読ませてくれんの?」
光恵は素直に孝志の側に座り込んだ。
「練習させて」
孝志は台本を胸にあて、真剣な目で光恵を見た。
「台詞? あ、いいよ。読ませてくれんの?」
孝志はそっと光恵に台本を手渡した。
光恵は興味しんしんで台本を読み始めると、すぐに顔が燃えるように熱くなった。
「な……コレ」
光恵は絶句した。
「ミツ、練習させて」