13年目のやさしい願い


「一緒にいるオレが医者だったら、安心だろ?」



裕也さんは、笑顔で答えてくれた。

出会った年、高校生だった裕也さんは、その頃にはもう医学生だった。



裕也さんは、瑞希ちゃんより3つ年上。

親同士が親友で、家が近所の幼なじみ。

最初はただ仲の良い幼なじみだったのが、気がついたら2人はつきあっていた。



ハルの見舞いに来て、瑞希ちゃんに初めて会ったのは小学1年生の時。

とてもキレイで優しいお姉さんだった。



大部屋の子どもたちは、仲良く楽しそうに遊んでいるのに、

ハルは入院中、いつも一人。

そんなハルが、瑞希ちゃんと仲良くなったのをきっかけに他の子たちとも話すようになった。



ハルにとって、瑞希ちゃんは特別な存在だった。

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