氷がとけるように。
ゆっくりと持ち上げ胸の所まで近づける。


「フフッ、寝てる」


3100gの重さがこんなに愛おしいと思う瞬間。他人の私が思うのだから自分の子となると想像以上なんだろうな。


赤ちゃんは天使だって言う言葉を思い出す。
この温もりは最高の癒しだな。


赤ちゃんは小さな体でずっしりと命を確認させる。ずっと見ていても飽きない。


温かい気持ちになり
そーっと、ベッドに寝かした。


「由紀さん、体調はどう?」


「大丈夫。ちょっと顔、むくんじゃってるけど」


「全然、いつもと変わらないよ」


「七海さん、それっていつも私がむくんでるっ言いたいの?」


イタズラっぽく言う由紀さん。


「えっ、違う、違う」


慌てて手を振り否定する。


「七海さん、慌ててる。ジョーダンだよ」














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