氷がとけるように。
「コーヒー、飲むか?」


「うん」


コーヒーのいい香がしてテーブルに2つのカップが置かれた。


「熱いぞ」


「うん、ありがとう」


砂糖とミルクを入れスプーンで掻き交ぜる。


「工藤君、あれプラモデルだよね。誰が作ったの?」


ガラスケースのプラモデルを指差して聞いた。


「健兄と俺」


「へぇー。工藤君作ったのどれ?」


「赤と青の並んだのあるだろ。あれ」


「凄いね。器用なんだね」


細かい所まで綺麗に色付けしてあった。
さっき、眺めていた時気付いた。


「健兄に比べたら全然だよ、俺のなんか」


謙遜する工藤。


「ううん、それでも凄いよ。あんなの私なんか作れないし」


細かい作業苦手な私からすると尊敬に値する。
素直に思った事を言った。


「そうかぁー。なんか木村に素直に褒められると恥ずかしいな」


「何よ。私がいつも素直じゃない臍曲がりみたいに言って。感動した時は素直に凄いって言ってるじゃん」


照れてるのか冗談混じりに言う工藤に私もちょっと強気な口調で言い返した。





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