氷がとけるように。
「お母さん、七海が元気で工藤君と仲良くしてたら何にも言うことない」


工藤の言葉を思い出した。


お父さんのお墓参りに行った時に


『お父さんに何にも親孝行出来なかった。花嫁姿も孫も見せてあげられなかった』


『七海が今、元気でいる事が親孝行なんじゃないか』


と工藤が言ったこと。


それだけじゃ親孝行にならないよって言っちゃったけど。


「七海に何にもしてあげられないからこれ持って行きなさい」


テーブルの上に1冊の大学ノートが置かれた。












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