氷がとけるように。
お母さんに何かしてもらおうなんて思った事なかった。


仕事と家事で体を動かし、お父さんの亡くなる前の1年は毎日、病院に行ってたと晴美伯母さんから聞いていた。


私が就職した後も段ボールいっぱいに荷物を詰め込んで送ってくれた。


家計を助け私を育ててくれたお母さんの強さ、今なら素直にわかる。


大学ノートを手に取った。


『七海へ


お母さんの料理本』


自分の字はあまり好きじゃないと書き物は私が書かされていた。


あまり上手じゃないお母さんの字で書いてあった。







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