氷がとけるように。
「車、結構乗ってるね」


車検証を見ていた工藤が言ってきた。


元々はお父さんが乗ってた車。
処分せずに置いていた。私が帰って来て足がわりに乗ってた。


「お父さんの車だったんだけど亡くなって今は私が乗ってた。10年近くなるのかな、買ってから」


「11年。
…お父さん亡くなったのか。だから帰って来たの?」


「うーん、それもあるけど。まぁー、いろいろとね」


都会の生活に疲れて、マンネリを感じて、日常を変えたくて。


いろいろな感情を説明したくなかった。


未来に向かって生きてる工藤の今と人生立ち止った感のある私。


現状が違い過ぎて…言いたくなかった。


女30歳。
いろんな感情を持ってる事を…。




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