氷がとけるように。
「木村、結婚の予定があるのか?」


驚いた感じで私の顔を見た。


「だ・か・ら、たとえばの話でしょ。もし結婚する事が決まったら誰より1番に工藤君にメールするから。これでいいでしょ?」


早口で工藤に言った。


結婚の予定も無いのに結婚、結婚と言葉にしたくないのに…。
何、言わせてるのよっ。


「…結婚…か」


私の早口とは反対に
ポツリと沈んだ声で言う工藤。


もうー、何しに来たのよ。


「工藤君、こんなとこで道くさしてていいの?仕事あるんでしょう」


「…ああ」


上の空な感じで言う工藤を


「ほら、ほらっ」


急かすようにして立たせた。


「パンありがとう。仕事頑張って」


ドアを出た工藤に手を振り送り出した。





高校時代。


『木村、これ好きだろ』


何かある度に私にくれたよねコロッケパン。


ノート貸してあげた時。
成績が落ちて落ち込んでる時。


本当、何しに来たのよ…。








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