ハンズ
ーーポンッ

良い音を立てて栓を開け、吹き零れる白い泡をよけながら勢いよくサイダーを飲み干すと、

メットを首の後ろに引っかけ、3輪の配達バイクに跨った。

慣れた手つきでエンジンをかけ、アクセルをふかす。


「気を付けてな。」


おじさんの言葉に少し手を挙げて答えて、落ちかけた夕日に背を向けてコトブキへと急いだ。



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