箱の中の苺/S


そんなふうに返す華が好きだった。

華は最初から、僕を焦がれたりはしなかった。

だから惹かれていたのに、そのはずなのに。



うまくいかなくなると、後悔しか残らない。





蓋を開けてしまったら、からくりはなくなるんだ。

そこに、苺の存在はもうない。




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