極彩色のクオーレ
そのときギベオンの足元にいたデシンと二匹の黒毛のコルルが、一緒に彼女のベストに噛み付いて思い切り引っ張った。
一匹の重さはそこまででもないが、三匹の力がいきなり、しかも不意打ちでぶらさがってくると話は違う。
「おわっ!」
「わあっ!」
ギベオンは尻餅をつき、胸ぐらを掴まれていたケセラも引き倒された。
――ヒュンッ!
刹那、ケセラは頭のすぐそばを風が掠めたのを感じた。
そしてほぼ同時に、何かが何かに強く突き刺さる痛い音を聞く。
地面にぶつけた鼻をさすりながらそちらを向くと、後ろに立っていた木の幹にボウガンの矢が深々と刺さってあった。
転んでいなかったら確実にこめかみを貫かれていたところである。
(もしかして、デシンたちはこれに気づいて……?)
でも誰が放った?
それを考えた瞬間、ケセラは全身から血の気がすうっと引くのを感じた。
ギベオンが玉ねぎ型爆弾を両手に握りしめてケセラを庇う。
その脇にデシンたちが並んで一斉に威嚇音を立てた。
「くそっ、謀った様なタイミングでむかつく……。
ケセラ、ここはボクに任せてこいつら連れて」
「に、逃げないよ!ギベオンを置いてくなんて絶対にしない!」
ケセラはギベオンを遮って隣に立ち、ファイティングポーズをとった。
しかしそれはお世辞にも頼もしいとは思えない構え方であった。
ギベオンがちらっと横目で睨みつけて怒鳴る。