極彩色のクオーレ
お洒落に舗装された緩やかな坂道を昇る。
目的地まであと少しだ。
これだけ騒がしくしていれば、詳しい事情を知らない住人たちも集まってくるだろう。
ティファニーが訴えかけられる人数が多ければ多いほどいい。
「高台に逃げるぞ!」
「お前ら、向こうに回り込んで逃げ道をふさげ!」
追っ手の方からその言葉が突出して聞こえてくる。
セドナは舌打ちして眉間にシワを刻んだ。
(……あの連中が問題なんだよな。
おとなしく黙っていてくれるとは到底考えられねえ。
頭からティファニーの反論遮って全部否定して、問答無用で殺しにかかりかねないぞ)
そうならないように自分たちが対処するしかない。
「もうすぐ着きます」
「おう!」
坂道の頂点にたどり着く。
高台は以前セイクリッドがティファニーに結婚を申し込んだ、できるなら二度と近寄りたくないとセドナは思っている場所だ。
自然と渋い表情になってしまう。
今は特におやつを食べ終えた子どもたちが元気に遊ぶ時間帯だ。
人の姿がまばらにあり、彼らは突如現れたブリキの牡鹿を珍しそうに眺めていた。
どうやらここ一帯の人たちは、ティファニーに関する偽りを耳にしていない様子である。