極彩色のクオーレ





お洒落に舗装された緩やかな坂道を昇る。


目的地まであと少しだ。


これだけ騒がしくしていれば、詳しい事情を知らない住人たちも集まってくるだろう。


ティファニーが訴えかけられる人数が多ければ多いほどいい。



「高台に逃げるぞ!」


「お前ら、向こうに回り込んで逃げ道をふさげ!」




追っ手の方からその言葉が突出して聞こえてくる。


セドナは舌打ちして眉間にシワを刻んだ。



(……あの連中が問題なんだよな。


おとなしく黙っていてくれるとは到底考えられねえ。


頭からティファニーの反論遮って全部否定して、問答無用で殺しにかかりかねないぞ)



そうならないように自分たちが対処するしかない。



「もうすぐ着きます」


「おう!」



坂道の頂点にたどり着く。


高台は以前セイクリッドがティファニーに結婚を申し込んだ、できるなら二度と近寄りたくないとセドナは思っている場所だ。


自然と渋い表情になってしまう。


今は特におやつを食べ終えた子どもたちが元気に遊ぶ時間帯だ。


人の姿がまばらにあり、彼らは突如現れたブリキの牡鹿を珍しそうに眺めていた。


どうやらここ一帯の人たちは、ティファニーに関する偽りを耳にしていない様子である。




< 1,077 / 1,237 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop