極彩色のクオーレ
ぽた。
ケセラの瑠璃色の双眸から涙が落ち、ギベオンの手にかかった。
そこで自分が泣いていることに気づいたケセラは、一方的に喋っていたことも相まって顔を赤らめた。
「あ、ご、ごめんね、ギベオン……。
濡らしちゃった、じゃなくて、えっと、ええと」
「いいよ、すぐ乾くから」
ギベオンがベストの内ポケットからハンカチを取り出し、ケセラの顔に投げた。
はらりと落ちかけたハンカチを持ってケセラは戸惑ったが、ギベオンが顎で示したので、それで涙を拭く。
――ちり。
熱に気づき、ニコは左胸をさすった。
「さっき嘘ついたけど。ボクさ、お前のこと、少し嫌いだったんだよ」
「え?」
「無視するほどじゃなかったけどな。
すぐ泣くし、怖がりだし、誰かの助けがなきゃ自分で動けないし。
昔のボクにそっくりで、だから嫌いだった」
「そ、そうなんだ……」
ケセラの顔色が悪くなり、声も弱弱しくなる。
泣いてはいけない、そう己に言い聞かせるが、いましがた耳に入ってきた言葉が痛くて、また溢れそうになる。
「でも、今のお前はそっくりじゃない。
や、ちょっと前までは全く同じだったけど、自分で考えたり、怖くてもキマイレナの囮になったりしただろ?
そこが昔のボクと違う。
だから、好きでも嫌いでもねえよ」