極彩色のクオーレ
「おっ、そのひょろっひょろした女々しい後姿、お前もしかしてヒーラーか!?」
「ほうっ!?」
突如騒がしい声に呼ばれ、丸くなっていたヒーラーの背筋が一瞬で伸びた。
ヒーラーだけでなく、周囲にいる職人たちまでぎょっとして振り向く。
「そ、その声……もももしかして」
青ざめたヒーラーが、小刻みに震えて振り返る。
その先には先刻、正門に立っていた青年がニカッと笑って手を挙げていた。
「よう、久しぶり、相変わらず性格悪そうな顔してんな。
ダストボックスに向かって小言ぶつくさ言ってるの、はたから見てるとけっこう気持ち悪いぞ。
お前オカマってだけで避けられてんのに、もっと嫌われちまうぜ」
会うや否や、青年は無遠慮な言葉を発しながらヒーラーに歩み寄る。
ヒーラーはますます青ざめていき、青年に合わせてじりじりと後ずさっていく。
職人たちがそんな2人を見ないように、顔をそむけて通り過ぎる。