極彩色のクオーレ
タンザに良く言われるのはいつ以来だろうか。
いや、もしかしたら初めてかもしれない。
それにこんなに喋るのが下手なタンザも見たことがない。
慣れない場面に、ハックもどうしたらいいか分からず、何となく壁の方を向いた。
タンザとちょうど反対の姿勢になる。
木目に視点を置きながら、タンザの話の続きを待った。
たどたどしい喋り方ではあるけれど、その端々に彼の必死さを感じたからだ。
タンザは自分に、本音を伝えようと必死でいる。
だから、「早く喋れ」なんて腹を立てずにじっと待つことができた。
「そう思う前から、お前とはけっこうケンカばっかしてたよな。
妙に気になるし、口をきけばすっげえ気に食わねえしで。
そのせいでますます、どんな些細なことでも、お前にだけは絶対に負けたくねえって思うようになった。
絶対に、お前が俺より上だなんて認めねえからな!」
「うおっ、いきなり大声でさけ、いででででで!」
今度は後ろから髪を引っ張られた。
不意打ちでハックは抵抗できず、そのまま引かれてベッドに倒れる。
後頭部をおさえて涙を滲ませながら瞼を開けると、目の前、つまり真上に逆さまのタンザの顔があった。
ベッドの傍ら、ハックの頭の前に立ち、仏頂面で顔を覗きこんでくる。