極彩色のクオーレ
ボトルを返された頭が、ずいと青年を見つめる。
青年は顎を引き、眼鏡の奥にある大きな目に困惑の色を宿した。
(うおおっ、男のドアップ怖いな……)
「な、な、なんすか?」
「お前さん……もしかして、あの『天才』か?」
「は、おれが『天才』?
ないない、ありえませんって、おれは人形職人じゃないよ」
真剣な表情の頭と対照的に、青年はカラカラ笑ってあっさり否定した。
清々しすぎる笑顔だ、ごまかしている様子ではない。
頭は長く息を吐いて上体をそらした。
「そうかー。あんときも修理屋の坊主に聞いたけど、あいつも違ったんだよな。
お前さんが直してくれてるところを見たときはもしやって思ったけど、そうか違うのか。
期待してたんだけどなー」
「あ、それ俺もちょっと思ってた。
あの『優秀な人形職人』だったらどうしようって」
「ごめんなさいね~、期待に応えられなくて」
「お前絶対悪いって思ってないだろ」
「でも、すごいっすね。
途中で荷車が壊れた二回とも、凄腕の職人に助けてもらえるなんて奇跡に近いっすよ。
『天才』並みの腕前が見られるなんて、貴重じゃないですか」