極彩色のクオーレ





ニコは正直に告げたが、衛兵はそうは受け取らなかったらしく、表情を険しくする。


対するセイクリッドはきょとんとした顔をしていた。


咎めようと前に進みかけた衛兵を片手で制し、屈託なく笑う。



「あははは、君はとても優秀なナイトだね。


確かに、僕は異国の王子だ。


こんな男に可憐な深窓の姫君をさらわれてしまっては大変だろうな」



冗談なのか本気で言っているのか分からない。


どういう調子で受け取るべきか戸惑い、ティファニーは曖昧に笑った。


セイクリッドがただの若者だったら、かなり気取った比喩表現だとすぐに理解できるのだが。


やはり彼の『王子』という身分からそう感じるのだろう。


けれどもニコは、セイクリッドの口調や言い回しに特に何も思っていなかった。



(ナイト?夜がぼくとどう関係しているんだ?


それと『姫君』って、誰のことを言っているんでしょうか。


ティファニーはこの国の姫じゃないのに……)



正しく伝わっていなかったことが原因である。


心の針が17本に増えても、まだ人間が用いる喩をそれだと認識することができないようだ。


ニコのそんな思考回路に当然気づくことなく、セイクリッドが続けた。




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