極彩色のクオーレ





けれども、セイクリッドはヨリジェの第二王位継承者だ。


ここで無碍に断って、万が一彼の機嫌を大きく損ねさせてしまったらどうなってしまうのだろうか。


場合によっては、2国間の関係を揺るがす騒動に発展しかねない。


大げさな想像だとは思うが、可能性は十分考えられる。


十数秒のうちにこれだけ思考回路を回し、ティファニーは家の中に向いた。


少しだけ深く息を吸いこむ。



「ニコ」


「はい」



返事を聞いて手招きすると、ニコはすぐに玄関に来た。


セイクリッドがますます嬉しそうにほほ笑む。



「こんにちは、ニコ。


良かったら君も一緒にどうだい?」


「それはお茶をする、というお誘いのことですか?」


「ああ、話が早いね。


もしかして聞いてたのか?」



ニコはティファニーの細い肩に触れ、表情を変えることなく言った。



「あまり関わったことのない男性がティファニーに近づいたら注意しろと、普段から交流のある者に口酸っぱく言われているので」



こんなことをニコに言うのは一人しかいない。


ティファニーに恋心を抱くセドナだ。


自分の名前は絶対に出すなとも言われていたので、こういった言い回しにした。




< 749 / 1,237 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop