極彩色のクオーレ
「君についての話も聞かせてもらいたいんだ。
造主や、どんな性能を持っているのかとか。
……街の人たちの噂によく出ていた『凄腕の修理屋』とは、君のことだったんだね」
「はい」
「仕事の方は大丈夫かな?
忙しいのなら、今日は諦めるけど」
ニコはティファニーを見下ろした。
彼の手を介してそれを感じたのか、ティファニーもニコを見上げる。
作業場と化しているテーブルを振り返ってから、改めてセイクリッドに向いた。
「ぼくはどちらでも構いません。
今日中にしなければならない大きな修理の仕事は、午前中に街で全部終わらしましたし。
ティファニーに決めてもらいますので」
「と、いうと?」
「ついて来てほしいのならそうしますし、嫌ならばここで留守番しています。
どうしますか、ティファニー?」
(……もしかして、行かなくちゃダメなの?)
ニコはそんなつもりで言ったのではないだろうが、場の空気がそう変化した。
セイクリッド、衛兵、そしてニコの三人の視線を向けられ、ティファニーは窮地に追い込まれた小動物のような気分になった。
ティファニーは必死に、でも表情に出さないことを意識しながら考えをめぐらす。
(この人、声を聴いている限りでは悪い人ではなさそう……
異国の王子様だし、滅多に会えない人だし……注目されちゃいそうだけど、お茶するくらい良いかな?
お喋りしたら、仲のいい友達になれるかもしれない。
……でも)