極彩色のクオーレ
セイクリッドと一緒に街へ行くことを想像した瞬間、セドナの声を思い出した。
同時に胸の奥がきゅっと締め付けられる。
なんだか切ない感覚が走る。
どうしてかは分からない。
数えるくらいしか会ったことはないけれど、優しくて華やかさのあるクロアの声も耳の奥で聞こえた。
いくらセイクリッドから『了承を得た』と言われても、やはり気にしてしまう。
恋愛絡みの嫉妬ほど厄介なものはないと、リビアやギベオンからよく教えられていたのだ。
「あ……もしかして、嫌だったかな?」
す、とわずかであるがセイクリッドの声が悲しそうに沈む。
ティファニーは急いで顔を上げ、手と首を勢いよく横に振った。
遅れてついてきた髪の先が顔に当たる。
落下しかけた花束を、地面に着地する前にニコが掬い上げた。
「ち、違うの!そうじゃなくて……えっと」
両手を胸に引き寄せて深呼吸し、ティファニーは動転した気持ちをどうにか落ち着かせた。
長く息を吐き出し、腹を決める。