私の意地悪な旦那様
数年ぶりに来た遊園地は変わってなくて、なんだかほんわかとした気持ちになる。
功希の手を引いて色々なアトラクションに乗りながら、私は昔のことを思い出していた。
***
現地集合ということで、その日私は約束の時間よりも30分程早く駅で待っていた。
もうそろそろ来るかな、だなんて時計を見ればちょうど電車が到着したらしく、人が溢れてくる。
その中にいるだろうと探していれば、あまりの人混みに自分が流されてしまっていた。
「あ、あのっすみません」
人の流れに逆らおうとするけれど、上手く流れから抜け出せない。
せめて連絡とらなきゃと携帯をバックの中から探っていれば、ぐっと体を引かれた。