私の意地悪な旦那様
*迷子の僕と夏祭り

夏。
学生だったときの夏はとても貴重で。


夏休みから始まり、プール、お祭り、花火大会、たくさんの宿題や友達とのお泊まり会。



けれども大人になった今はあの頃のように、夏だからってそれらに現を抜かすことも出来なくて。


…………まぁ、正直私はそんなに忙しいわけでもないのだけれど、忙しそうな功希に向かって夏の貴重な休日を潰すような真似は出来ない。



ポストに入っていたチラシを見ながらそんなことを考えていれば、じわじわと侵略してきた睡魔に耐えきれずにゆっくりと暗い世界へと微睡んでいった。




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