私の意地悪な旦那様

さ、さすが織部さん。
入ってきてすぐ、今の状況を読んだよ…。


いつかの深夜のように莉乃を横に抱いて、軽々とドアへ歩いていく。

そして、立ち止まったかと思えば、思い出したように振り返ってこう言った。


「莉乃が世話になったね」


ガラリ。と音が鳴り、しーんと静かになった店内。

そして、第一声は言わずもがな、こういう話に目がない女子の皆さんだった。


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