私の意地悪な旦那様
静まりかえる店内。
「え、織部先輩って、あの織部先輩?」
「たぶんそーだよ」
皆の頭に思い浮かぶのは、莉乃に追いかけ回されては邪険に追い払っていた(っていう記憶しかない)織部先輩。
何がどうなって今に至ってるのか全く知らないやつらには、かなり大きな衝撃だったようだ。
「もしかして、高校のときのあれ、実ってたの?」
「おう」
「……それで、ずっと続いてたの!?」
「おう」
その瞬間、耳を押さえたくなるほどの声が一斉にあがった。