私の意地悪な旦那様

だんだんと痛む間隔が狭まって来ている気がする。


ここにいろって言われたけど、病院行った方がいいんじゃないか?


いそいそと病院に電話すれば、来てくださいと言われてしまう。



でも、一人で産むの、心細いなぁ……。



そんなことを思いながらも用意しておいた入院セットを手にすれば、ピンポーンとインターホンが鳴り響いた。



こんなときに誰だろう。宅配?


画面を覗けば、そこに映っていたのはお母さんだった。



「お母さんっ」

「とりあえず開けなさい」


言われるがままに鍵を開ければ、慌てて駆け込んできたお母さん。

「功希くんから電話貰って慌てて来たのよ」



「僕が居ない間、莉乃のことよろしくお願いします、だなんて頼まれちゃったわ」と言ったお母さんと2人で、本当にすごい旦那さんを持ったんだなと笑いあった。



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