私の意地悪な旦那様

「莉乃は?」

玄関を開けるなり目があったのは、予想通り、莉乃の旦那もとい高校の先輩だった織部さんだ。


「いつものところで寝てますよ」

と言うや否や「あがるよ」と勝手に家に上がってリビングへ向かう織部さん。

いや、もう慣れたからいいんですけどね。
いつもながらの傍若無人さに特に何も言わない。(というより言えない)


そのまま横抱きに莉乃を運んできた織部さんと目が合ったため、「どうぞ」とドアを開ける。

「邪魔したね」と言い残してそのまま外へ出て行った織部さん。

残されたのは、眠くて気だるい俺と、散らかされた机の上。
片づけは明日でいいや。と思い直すとそのままベッドへとダイブした。

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