ひだまりシュガー ~イケメン達の秘密ノート~
晴斗は、もう別の恋人を作っただろうか。
もっと優しくて穏やかな彼女と楽しく暮らしているだろうか。
あんな約束を忘れて、幸せな恋をしている。
そんな気がした。
もし、そうだとしたら、私は信二と結婚しよう。
晴斗がどうしているか、確かめたい。
ううん、違う。
声が聞きたかった。
あの冷たい口調で、「かけてくんな」って言って欲しかった。
深夜に数回電話をかけた。
約束の3年後まで、あと半年くらいだった。
出てくれなかったけど、電話番号が変わっていなかった。
何度もブチッと切られたけど、その電話の向こうに晴斗がいると思うと、
やっぱり愛しさが込み上げる。
晴斗だけを愛していれば、私は幸せになれた。
両親を説得して、晴斗と結婚していれば、こんなに苦しむことはなかった。
でも、あの時の私に、晴斗一人を選ぶことはできなかった。
全てを失って、一人ぼっちにならないと、私は何が大事なのかわからない。
私は、一人になった。
信二が浮気をして、別の女性との間に子供を作った。
それさえも許そうとする自分の両親に嫌気が差した。
もう電話をかけても、小早川先生は出てはくれなかった。
私は一人ぼっちになった。
違う。
ずっと一人ぼっちだったんだ。
~さちこ目線END~