神の手のひらで
信じられなかった。
信じたくなかった。
「・・・なら、ここは・・・」
「ギリシャの天空宮だ」
「ギリシャ・・・」
どうしてそんなところに私はいるんだろう。
ギリシャに来た覚えもないのに。
何で、だろう?
「・・・少し落ち着いたようだな」
「・・・騒いで、すみませんでした」
「いや・・・」
アステルさんは己の長い足を組んだ。
白い布が足の流れに沿って滑り落ちる。
艶やかな音が微かに聴こえた。
「もう知っていると思うが改めて。私の名はアステル。アテナのメシアだ」
「・・・アテナ?メシア?」
「・・・知らないのか?」
聞き慣れない単語。
けどそれを聞いた途端何かが頭の中で弾けた。
アテナ、メシア、そしてアステルという名。
不思議な響き。
「・・・アスカは日本出身だったな?」
「え・・・はい」
足を組み替えながら考える素振りを見せる。
「・・・少し立ってくれないか」
「・・・?」
質問の意図が分からないままソファから腰を上げる。
頭の天辺から足の爪先まで観察するような視線が気になる。
何で私は立たされたんだろう。
「・・・いや、しかし・・・」
ぼそりと呟き、眉を顰める。
「あ・・・ごめんなさい」
「ん?」
怒られたように感じて咄嗟に謝罪の言葉が出る。
「ああ・・・すまない」
額を覆って苦笑い。
そんな仕草さえ綺麗だと思ってしまう。
座ってくれ、と懇願される。
それに従いゆっくりと座った。
「いいか、聞いてくれ。また混乱するかもしれないが・・・」
「はぁ・・・」
躊躇うように視線が惑い、やがて私の目に定まった。
「これはあくまで憶測だが・・・」
ーーーお前はこの時代の人間じゃない。
信じたくなかった。
「・・・なら、ここは・・・」
「ギリシャの天空宮だ」
「ギリシャ・・・」
どうしてそんなところに私はいるんだろう。
ギリシャに来た覚えもないのに。
何で、だろう?
「・・・少し落ち着いたようだな」
「・・・騒いで、すみませんでした」
「いや・・・」
アステルさんは己の長い足を組んだ。
白い布が足の流れに沿って滑り落ちる。
艶やかな音が微かに聴こえた。
「もう知っていると思うが改めて。私の名はアステル。アテナのメシアだ」
「・・・アテナ?メシア?」
「・・・知らないのか?」
聞き慣れない単語。
けどそれを聞いた途端何かが頭の中で弾けた。
アテナ、メシア、そしてアステルという名。
不思議な響き。
「・・・アスカは日本出身だったな?」
「え・・・はい」
足を組み替えながら考える素振りを見せる。
「・・・少し立ってくれないか」
「・・・?」
質問の意図が分からないままソファから腰を上げる。
頭の天辺から足の爪先まで観察するような視線が気になる。
何で私は立たされたんだろう。
「・・・いや、しかし・・・」
ぼそりと呟き、眉を顰める。
「あ・・・ごめんなさい」
「ん?」
怒られたように感じて咄嗟に謝罪の言葉が出る。
「ああ・・・すまない」
額を覆って苦笑い。
そんな仕草さえ綺麗だと思ってしまう。
座ってくれ、と懇願される。
それに従いゆっくりと座った。
「いいか、聞いてくれ。また混乱するかもしれないが・・・」
「はぁ・・・」
躊躇うように視線が惑い、やがて私の目に定まった。
「これはあくまで憶測だが・・・」
ーーーお前はこの時代の人間じゃない。