10円玉、消えた
暫く竜太郎と黒部は、源太郎のことで話しが盛り上がる。
時々多恵子も加わって、狭い事務所が宴会場のような賑わいとなった。
話しが一段落し、竜太郎が急に神妙な顔つきで言う。
「タカさん、ちょっと話しがあるんだけどさ」
それを聞いて、多恵子が素早く事務所から出ていった。
黒部は座っている姿勢を少し正して聞く。
「どうした?リュウちゃん」
「実はさ、いまラーメン屋をやろうかどうしようか迷ってるんだ」
「えっ、なんでまた急に。やっぱり親父さんが帰って来たんでそう思ったのかい?」
「いや、今回こっちに来る前から悩んでたんだけどね。もちろん親父が帰って来たことも影響してると思う」
「う~ん…高校ん時とはわけが違うからなあ。リュウちゃんももう40半ばだろ。なのにいきなり部長からラーメン屋の店主ってのもなあ」
「余りにも無謀だよな。普通はそう思うよ」
「なんで急にそんなことを考えるようになったんだ?」
「うん、まあ…。ヘンなこと言ってると思われるかもしれないけど、俺の運命がラーメン屋をやるように出来てるってわかったからなんだ」
黒部は不思議そうな表情を見せる。
「運命が?どういう意味だい?」
時々多恵子も加わって、狭い事務所が宴会場のような賑わいとなった。
話しが一段落し、竜太郎が急に神妙な顔つきで言う。
「タカさん、ちょっと話しがあるんだけどさ」
それを聞いて、多恵子が素早く事務所から出ていった。
黒部は座っている姿勢を少し正して聞く。
「どうした?リュウちゃん」
「実はさ、いまラーメン屋をやろうかどうしようか迷ってるんだ」
「えっ、なんでまた急に。やっぱり親父さんが帰って来たんでそう思ったのかい?」
「いや、今回こっちに来る前から悩んでたんだけどね。もちろん親父が帰って来たことも影響してると思う」
「う~ん…高校ん時とはわけが違うからなあ。リュウちゃんももう40半ばだろ。なのにいきなり部長からラーメン屋の店主ってのもなあ」
「余りにも無謀だよな。普通はそう思うよ」
「なんで急にそんなことを考えるようになったんだ?」
「うん、まあ…。ヘンなこと言ってると思われるかもしれないけど、俺の運命がラーメン屋をやるように出来てるってわかったからなんだ」
黒部は不思議そうな表情を見せる。
「運命が?どういう意味だい?」