yellow flower
「…そんで玲、どこ行くの?」
思い出したようにあたしが問うと、玲は少し俯き、小さい声で呟いた。
「…らのとこ…」
蚊の鳴くような声とはこのことだろうか。
「え?」
「…っ…中浦の、とこ…」
「中浦!?」
あたしは思わず大きな声をだしてしまった。
「「中浦!?」」
すると、周りの子たちもその名前を聞いて一斉に顔を向ける。
中浦とは、クラスの男子だ。
つるんでいるメンツが目立つということもあるが、カッコよくて目立つ。
あたしと同じバスケ部だ。
中浦も校則違反だらけだ。茶色い髪にピアス、腰パン、そのほかにはオール、喧嘩など。
女子たちからかなり人気があるが、近寄りがたいかんじで、女子とは話さない。
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