yellow flower


「…そんで玲、どこ行くの?」

思い出したようにあたしが問うと、玲は少し俯き、小さい声で呟いた。

「…らのとこ…」

蚊の鳴くような声とはこのことだろうか。

「え?」

「…っ…中浦の、とこ…」

「中浦!?」

あたしは思わず大きな声をだしてしまった。


「「中浦!?」」

すると、周りの子たちもその名前を聞いて一斉に顔を向ける。

中浦とは、クラスの男子だ。
つるんでいるメンツが目立つということもあるが、カッコよくて目立つ。

あたしと同じバスケ部だ。
中浦も校則違反だらけだ。茶色い髪にピアス、腰パン、そのほかにはオール、喧嘩など。

女子たちからかなり人気があるが、近寄りがたいかんじで、女子とは話さない。


.
< 4 / 24 >

この作品をシェア

pagetop