別冊 当て馬ならし
そんな娘をにこにこと見守りながら、
それでも父は王として告げる

「セルヴァンも一人前の鍛冶屋として
 オーガイルに匹敵する技を磨いてきた、
 それをここで他国に見せておくことも
 必要だろうと思う。」
鍛冶屋として・・・
その言葉が少し・・・胸を刺した・・・

「武芸の腕も上達してて、
 オーガイルがよく自慢してるわよね、
 『お前は俺の息子が倒す』って
 この前も酔って言ってたわね」
お母さんが今度は
お父さんに目線を投げてクスクス笑う。

その言葉で『最強候補』と言って
得意に笑う顔を思い浮かべる。
私もクスっと笑う。
「最強・候補って言ってたわ」

「はははは、あの小僧に
 私はまだ負ける気はしないけどな」
お父さんも赤い瞳を
ギラリと輝かし不敵に笑う。
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