甘い唇は何を囁くか
顔も見えなかった夢の中のあの人が。。。

夜中に部屋の中にいたあのふたりのどちらかに思えてる。

それって、あのふたりを男として意識しているから、なんだろうか。

いやいやと、首を振って自分の考えを制して立ち上がる。

時計を見ると、もう昼を過ぎている。

すごく寝てしまったみたいだ。

身体まで痛いような気がする。

それに、ずいぶんと喉が渇いた。

部屋の中にある簡易冷蔵庫の中からスポーツドリンクを取り出した。

それを一本、一気に飲み干すと、何だか急に冷静になってきた。

どんなにイケメンのふたりであっても、あれが、不審者でなくて何というのだろうか。

そうだ。

それに、何だか怖いことを言っていたじゃない、と自分の中で自分に語りかける。

どちらが、私を自分のものにするか―とか何とか・・・。

どういう意味なんだろうか、って考えるよりも、何より、紅くなっている場合じゃないってことだけは確かだ。

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