甘い唇は何を囁くか
ああ、そうだよ。

知っているとも。

お前は、俺の運命の女で、お前も俺と永遠を共に生きることを選んだ。

愛してもいない男と身体を交え、

その身を

ヴァンパイア、という化け物に変えることを選択したんだ。

そう言えない自分に、苛立って唇を噛んだ。

「・・・ごめんなさい。」

「何を謝るんだ。」

「だって・・・きっと何か大事なことを忘れてるんでしょう?」

「・・・。」

「あなたを、見ていれば分かる・・・。私・・・どうして。」

どうして、忘れてしまっているのかしら―。

ズキン

頭が痛む。

でも・・・、「はあ」と吐息をもらしてシスカの身体を見つめた。

しなやかな肉体。

鍛えられた身体。

こんなことははじめてだ。

その身体に触れたくて、たまらない。

犯されるように、抱かれたくて・・・たまらない。
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