甘美な蜜のプワゾン
蘭はそんな右京を見て、少し嬉しくなる。

(完全には嫌われてないって思ってもいいのかな?)

その時、はたと右京と目が合った蘭。

しかし……右京に直ぐにそっぽ向くように目を逸らされてしまい、蘭はガックリと肩を落とす。

どうやらそう簡単には距離は縮まらないようだった。


 後5分程で家に着く道中、前からやって来る派手めな女子高生のグループが、明らかに太郎を見て騒いでいた。

「あのー……」

グループの中の1人、顔立ちが綺麗めな女の子が上目遣いで太郎に声を掛けてきた。

「ん?」

太郎は慣れた様子で、嫌な顔を見せず柔らかい笑みを見せている。

「めっちゃくちゃ綺麗ですね! もしかしてモデルとかされてます?」

「ううん、してないよ」

それだけ答えると、太郎は蘭を気遣うように“行こっか”と口パクで伝えてきた。

蘭は女子高生が気になりつつも頷く。

「あー! ちょっと待ってください! あの、写真撮らせて欲しいんですけど、いいですか?」

グループ一斉にスマホを手に、うっとり顔で太郎に詰め寄ってくる。

「写真はお断りだ」

その時、右京が太郎の前にスッと立ち、女子高生を冷ややかな目で見据えた。

(マ、マネージャー……?)






< 50 / 68 >

この作品をシェア

pagetop