時わたりatラブ(仮)








キンッ




辺りに響く金属音と掛け声




沖「まだまだ!!」


ら「はいっ!」




ひさびさに沖田さんに稽古をつけてもらう。


やっぱり今まで生きてきた中で一番スパルタなのは沖田さんだ…。




沖「そんなんで勝てると思ってるんですか?」




む、むかつく!


ほんっとに容赦ない…。



沖田さんだけは互角に戦えないし、やっぱり最強剣士だ。


ここまで強くならせていただいたのは沖田さんのお陰だけど、嫌ってほどに叩きのめされる…。




4時間くらいの稽古はあっという間だけど


なんかもう、指で叩かれて潰された蚊の気分だよ。




沖「ひさびさの稽古でしたね〜〜!」


ら「はい、鬼ですね本当に…」



稽古でテンション下がりっぱなしの私の横で溌剌とした笑顔を浮かべる鬼の沖田さん。




沖「そうですか?」


ら「稽古の鬼は沖田さん、仕事の鬼は土方、気合いの鬼は永倉さん、新撰組三大鬼っ隊士たちに呼ばれてるんですよ…」


沖「確かに稽古は厳しいですけど、飴と鞭の使い分けが出来てるんでいいんです!」



ら「あれ?この前隊士を骨折させてましたよね?」


沖「ゔっ、それは事故ですから。ま、まあ反省はしてるんですけど…」




あの稽古以来、沖田さんに稽古挑むの幹部隊士だけになって、沖田さんが稽古に誘うと大抵の隊士は逃げて行く。



厳しすぎるのにも程がある!




土「なんだ総司と稽古してたのか?」


ら「土方〜〜!沖田さんにコテンパンにされた。」



土「総司!らんはこんなだけど一応女だならな!」


沖「手加減しましたよ!」



ら「一応ってなに!?」



沖「あ〜〜…らんさんって男所帯にいるけど全然襲われてないですよね。」



ら「確かに…」



女としてどうなのって感じだけどポジティブに捉えよう。



沖「あ…そういえば、この前隊士たちが土方さんに脅されたって言ってたけど。」


土「あ?脅してねぇよ。」


ら「何の事?」


土「いや、らんを女と思ったら切腹って言っただけだが?」



ら「あ、ありがとう。」



複雑な脅し方だな…。



















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