鈴芽 ~幸せのカタチ~
理名の手を取り改札を通った。

『さっきの話、わかったわ。また連絡する。』

そう行って足早に帰っていった。

理名はいつまでも後ろを振り返り、黙って手を降っていた。


『ただいま。』

イチローが戻ってきた。
『おかえり。』

『ごめんな。
驚いただろ?』

『うん。コーヒーでも入れるね。』

コーヒーを飲みながら、イチローがポツリポツリと話してくれた。

『前にも少し話したように、俺は本当に毎日仕事ばかりしていた。
会社に泊まることもしょっちゅうで、家に帰ったとしても午前さまだった。
だから理名のことも正直よく知らないんだよ。

いつの間にか歩いて、しゃべって、気づいたら大きくなってたよ』
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