鈴芽 ~幸せのカタチ~
情けなさそうに笑った。
『だから今日は本当に驚いた。
理名が俺に会いに来るなんて。
理名が俺を父親として見てるなんて。』

『お父さんはお父さんなんだよ。
うちもお父さんあんまり家にいなかったから、なんかわかるよ。』

『でも情けないけど、理名の事何も知らない。
だから離婚の時も、別に理名に会えなくてもいいって言ったんだよ。
ひどい父親だろ?
正直どう接していいか戸惑うよ。』

子どもで離婚の時もめるってよく聞くけど、
子どもに関心がないってこともあるんだ。

複雑な気持ちだった。

『ごめんな。こんな話。寝るか。』

『ううん。
イチローは変わったよ。以前のイチローじゃない。大丈夫だよ。』

イチローの頭を抱き寄せ、頭を撫でた。
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